Q&A:素材について

Q.チタンは金属アレルギーにならないって本当?
Q.チタンは変色しますか?
Q.チタンの純度は何%ですか?
Q.チタンはキズがつきますか?
Q.チタンは貴金属的価値がありますか?

Q.チタンはチタンの状態で地中から産出されるんですか?
Q.金属アレルギー対応素材としてのステンレスまたはタングステンとの違いは何ですか?
Q.プラチナより強いって本当?
Q.どうしてチタンの指輪のお店は少ないのですか?

Q.チタンは金属アレルギーにならないって本当?

A.残念ながら、100%という事ではないのですが。。。

純チタンは、金属アレルギーの原因である金属イオンが溶け出さない金属なので、他の素材よりも、これから金属アレルギーになる可能性は非常に低いと思われます。

また、ニッケルやクロムなどのアレルギー原因の主な成分が全く含まれていないため、金属アレルギーの多くの方が着けられる数少ないジュエリー・アクセサリー素材です。

残念ながら、過去20年間で数名のお客様がチタンアレルギーをお持ちのお客様がいらっしゃいました。
恐らく、数万人に1人位チタンアレルギーの方がいらっしゃるのではないかと思います。

当店では販売しておりませんが、同じチタンでも肌に触れる部分が純チタンではない場合(チタン合金やメッキ処理等)はチタン以外の成分が含まれますので、着けられなかったというお客様が沢山いらっしゃいました。
特にアレルギーのある方は、チタンを購入する際は合金やメッキの有無を確認してしてから購入して下さい。

Q.チタンは変色しますか?

A.普段の生活の中で変色する可能性は、ほぼゼロに等しいかと思います。

強アルカリ性の薬品(劇薬指定を受けています)や王水(金を溶かす事が出来る劇薬)を使用すると、変色したり溶けたりいたします。

また、数分間バーナーで焼きますと、くすんだ紫や青色になります。

上記のような条件で変色いたしますが、余程の事が無い限り、普段の生活の中では変色が起こる事はほぼゼロだと思われます。
指輪の色が、黒っぽくなったり、黄色っぽくなった場合は、細かい傷の中に汚れが付いている事が原因だったりします。

チタンのひみつのページに、変色についての実験結果があります。

お手入れ方法は、Q&A:購入後の修理やサイズ直しお手入れについてをご確認下さい。

Q.チタンの純度は何%ですか?

A.チタン純度は、99.42%~99.52%のチタンを使っています。

現在日本国内で流通しているチタン材は、JIS(日本の規格)やASTM(アメリカの規格)で純度が決まっています。
純チタンは、JIS1~4種またはGrade(グレード)1~4。
数字が4よりも大きい場合は、チタン合金になります。

チタン以外の成分としては、鉄(Fe)です。
(成分分析をした場合は、 測定中の大気の要素として酸素(O)、窒素(N)、水素(H)、炭素(N)が微量に含まれています。 )
チタンの純度について詳しくは、チタンのひみつをご覧下さい。

Q.チタンはキズがつきますか?

A.チタンはとても硬い金属ですが、強い衝撃や摩擦によりキズは入ってしまいます。

いくら硬いといってもハンマーで叩いたり、ヤスリで擦ったりしないでください。
細かなキズでしたら、当店で販売しているお手入れクロスをお使いいただけますが、どうしてもダメな場合は研磨クリーニングもできますので、お申し込みください。

研磨クリーニングのページ

Q.チタンは貴金属的価値がありますか?

A.チタンは、貴金属的価値はありません。

貴金属素材というよりも、レアメタルに該当します。
素材に使われる金属の地金だけで考えますと、 シルバー・ステンレスよりも高くプラチナ・金よりも安い金属です。

Q.チタンはチタンの状態で地中から産出されるんですか?

A.チタンはチタンの成分を含むルチル鉱石という石から抽出され精製して チタンという金属になります。

ルチル鉱石から抽出されたチタンは、 鉱石→スポンジチタン→インゴット→板や塊状態の地金→加工品となります。

金やプラチナは鉱物として産出される貴金属ですが、チタンは、チタンそのものが地中から産出されません。

Q.金属アレルギー対応素材としてのステンレスまたはタングステンとの違いは何ですか?

A.アレルギー対策の場合は、タングステンの方が安心。

ステンレスは鉄(Fe)をベースに、クロム及びニッケルを加えて錆びにくくした合金です。
その中でも、医療用の金属素材として使用されるステンレスのことをサージカルステンレスといい、比較的金属アレルギーを起こしにくいと言われています。
サージカルステンレスは、手術用のピンセットやメス、器具を入れるトレイなど、病院にある道具に使われています。
また、ステンレスは使用目的に合わせて種類が豊富にあります。
普段の食事の際に使用されるスプーンやフォーク、お鍋もステンレス製の物が多く、一番身近にある金属だと思います。
ステンレスの種類によっては、ニッケルやクロムを多く含まれている事がありますので、ステンレスが着けられない方は、ニッケルやクロムが入っているのが原因かもしれません。

タングステンは、元素記号=Wの金属。
市販されているタングステンの多くは、高純度の粉末(タングステン・チタン・セラミックス)を混ぜ合せ焼結させて作られています。
身近なところですと、電球のフィラメントにも使われています。
ダイヤモンドの次に硬い金属として知られ、傷が付きにくく、重さは金とほぼ同じ。
純金や純銀、純チタンと同様にアレルギーになりにくい素材ですが、重さや硬さが気にならないデザインのアイテムに向いているかと思います。

Q.プラチナより強いって本当?

A.指輪全体に大きな力が加わった場合の強度としては、プラチナよりも強いです。

ダイヤモンドの硬さを10とした場合、チタンは8、プラチナは4です。

仕事柄重たい荷物を持つ方の中には、プラチナでも金属疲労で指輪が切れてしまう場合があります。チタンの場合、そういうことは起きません。

Q.どうしてチタンの指輪のお店は少ないのですか?

A.加工出来ない、材料が揃わないなどいろいろな理由があります。

熟練したジュエリー職人さんが作ろうとすると、 チタンはいままで扱ってこられた素材と全く性格が違うため、 扱いが難しいと言われます。
ですので、一般的には工業製品や日用品も扱ってきた私達や医療用のチタン製品を作ってきた業者が、扱い易いということだと思います。

ジュエリーとして一般的な金やプラチナを加工する道具と、 チタンを加工する道具が全く違うこと (硬すぎるので、一般的なジュエリーを作る道具では壊れるため)、 そして加工する際チタンの性質をよく見極めていること(わかっていること) これが、チタンを加工する際のいちばんの決め手になると思います。

そして、金やプラチナのジュエリーに比べるとはるかに工程数が多く時間が掛かります。
削るだけでも一苦労だと思います。

また、貴金属の素材ではなく、本来レアメタルの一種ですので、地金自体の仕入れや流通経路が他の金属より限られています。
上記のような理由でチタンの加工をする職人やお店が少ない理由だと思います。

 
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