普段の生活で気をつけるポイント

もし金属と接触している部分がかぶれたり、かゆみがあるなどの症状が出たら、 初期段階で皮膚科を受診すれば、ひどくなることを避けられます。 自分が金属アレルギーかどうか疑わしい場合には、放置せずにまず病院へ行きましょう。

✓おかしいな?と思ったら、まず外す!

 
湿疹・かゆみ・赤くなるなどの症状が出たら、まず原因となった物を外してください。

皮膚科やアレルギー外来のある専門医を受診して、もし必要でしたらパッチテスト等でアレルギーの原因を調べて下さい。

パッチテストとは?
金属成分(ニッケルやコバルト、クロムなど)の検査薬をつけたシールを背中や腕に貼り、しばらく時間がたった後の反応を検査するテストです。
アレルギー反応がない場合には何も変化しませんが、原因の成分を塗った部分だけ赤くなったりアレルギー症状がでます。
 

 

✓汗をかく時は外して予防

汗と接触した部分の金属がイオン化してアレルギーが起こります。アレルギーになりやすい素材のジュエリー・アクセサリーは、運動をする前は外したり、汗をかきやすい夏場の使用は避けるなどしましょう。


 

 

✓購入時は、必ず表示を確認

アクセサリーを購入する場合には、どんな金属や加工(メッキ・コーティング)が使用されているのか必ず確認してください。
商品によっては、ニッケル不使用の「ニッケルフリー」「ノンニッケル」などの表示があったり、 K18等の使用している金属が明記されています。

ニッケル不使用の表記例

日本国内では公的なニッケルフリーの認定マークや表示規格はありませんが、最近では民間団体が指定している認定マークやお店やメーカー独自の表示などがされている場合がありますので、購入時に確認してみて下さい。
 

 

✓最初のピアス(ファーストピアス)がとても大事

ピアスの穴を開けた際、穴のの傷口に触れますので、あけた穴が上皮化するまではアレルギーになりにくい素材のアクセサリーをお使いになる事をおすすめします。
純チタン製ポストのピアス、純金・純銀・純プラチナなど純度が高い素材、金属ではない素材だとセラミック製や樹脂製のピアスがあります。


 

 

✓何アレルギーに対応?アレルギー対応の素材でも確認を!

近年、アレルギー対応のジュエリーやアクセサリーでサージカルステンレスやK14GFなど、以前は販売されていなかった商品が増えています。

サージカルステンレス

サージカルステンレス(SUS316L)は、医療用のピンセットやメスなどに使用されている素材ですが、ステンレスですのでニッケルやクロムが含まれている素材です。

K14GFやK10GF

K14GFやK10GFなどGFと表記されているジュエリーは、「金張り」で、中は真鍮・外側が金の合金になります。
「金張り」は、金メッキに比べて厚くて剝がれにくいのが特徴ですが、K14GFは純度が金52%(K10GF42%)と純度が低い素材になります。

純チタンとチタン合金

チタンという事で購入したら、実はチタン合金だったりコーティングで仕上げてあったというお話を伺いました。

眼鏡などに使用されている形状記憶合金はニッケルとチタンの合金の場合があり、チタン製腕時計グレード5はチタン合金(アルミ・バナジウムを加えた64チタン)です。

純チタンは1~4種、GRADE(グレード又はG)1~4と表記され、数字が4以下なのが特徴です。

チタンと書いてあっても、種類(純度)や表面加工の記載がない商品は要注意です!

コーティングやメッキ

表面にメッキやコーティング処理をしてしまえば、見た目は金やプラチナの様に見えますが、メッキやコーティングに含まれる金属成分がダメな方には着用する事は難しいです。

コーティングとメッキの種類
記号 名前
GIP 金イオンプレーティング
AGIP 銀イオンプレーティング
PTIP プラチナイオンプレーティング
TIIP チタンイオンプレーティング
GP 金めっき
AGP 銀めっき
PTP プラチナめっき
WGP ホワイトゴールドめっき
PGP ピンクゴールドめっき
CRP クロムめっき
RHP ロジウムめっき
RUP ルテニウムめっき
BRUP 黒色ルテニウムめっき
BCRP 黒色クロムめっき

※イオンプレーティング・・・IPコーティング。真空中でで膜にしたい金属を蒸発・イオン化させ、コーティングしたい対象の表面に-(マイナス)の電荷を流し、+(プラス)の電気を帯びさせた金属の蒸気をコーティングしたい対象の表面に引き寄せることにより、密着性の良い膜を作る方式です。
 

 

✓純度が100は間違われやすい!

最近、プラチナ100の結婚指輪やペアリングが販売されています。

よく間違えられるのですが・・・プラチナ100は純プラチナではなく、プラチナ10%のプラチナ合金ですのでご注意下さい。

各素材の成分や純度について、一般的な例をまとめました。ジュエリーやアクセサリーの購入の際の参考にどうぞ。

各素材の純度や成分について
表記 名前 成分
K24 純金
K18 18金 金75%+その他25%(銀や銅)
K14 14金 金58%+その他42%(銀や銅)
K10 10金 金42%+その他58%(銀や銅)
PT950 プラチナ950 プラチナ95%+その他5%(パラジウム・ルテニウム・イリジウム)
PT900 プラチナ900 プラチナ90%+その他5%(パラジウム・ルテニウム・イリジウム)
PT850 プラチナ850 プラチナ85%+その他15%(パラジウム・銀・銅)
sterling silver スターリングシルバー 銀92.5%+銅7.5%
SILVER925
SV925
シルバー925 銀92.5%+その他7.5%(銅・ニッケル・アルミニウム・亜鉛)
Brass
brass
真鍮(黄銅) 銅65%+亜鉛35%(亜鉛が20%以上)
SUS ステンレス 鉄+クロム10.5%以上+ニッケル+炭素1.2%以下+その他(モリブデン・カーボンなど)
SUS316 サージカルステンレス 鉄+クロム18%+ニッケル12%+モリブデン+炭素
K18YG
K14YG
K10YG
イエローゴールド 金+銀+銅
K18PG
K14PG
K10PG
ピンクゴールド
K18WG
K14WG
K10WG
ホワイトゴールド 金+銀+パラジウム
K18GF
K14GF
K10GF
金張り ベース:真鍮、表面:金の合金
※金合金の層が全体重量の5%以上覆っている
K18GP
K14GP
K10GP
金メッキ ベース:真鍮、下地:ニッケルなど、表面:金の合金
※表面に金合金のごく薄い膜が数ミクロン覆っている
 
 

 

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