はじめまして、島田工房店長の嶋田です。
チタンの指輪を購入しようと思っているお客様や、チタンの指輪ってどんなものだろう?と思っているお客様に、「チタンの指輪は他の素材と何が違うのか」、「チタンで作るメリットとデメリットは何か」、大切な指輪を選ぶ前に一度お読みいただければ幸いです。
1. とっても硬い事
一般的なマリッジリング(結婚指輪)の素材プラチナと比べると約2倍、チタンは、ダイヤモンドよりも少し柔らかい素材です。硬くて丈夫で、曲がったり歪んだりしないのは、とても良い事なのですが。。。普通の指輪と違って、変な弱点があります。それは、角や角ばった箇所がとても痛い事。
指輪が食い込んだ時など、硬いので角があると本当に痛いです。なので当店では、内側も外側も、出来る限り角を落としています。時々角を残してくださいとご注文いただきますが、お金を出して、痛い思いをするなんて残念な事にならないように、その場合ご注文をお断りしています。
2. サイズ直しや加工の制限
指輪で一番困る事は、サイズ直しです。大きくする事は、ゆっくりと指輪を伸ばしていけば、ある程度までは大きくできます。小さくする場合は、切断してから、溶接が必要になるので、どうしても酸化していまいます。酸化すると、その部分が弱くなるだけでなく、(磨けば改善しますが)見た目も黒っぽく変色します。そのため、切断して小さくするよりも、製作し直した方が、綺麗に長く身に着けられます。かなり変な金属ですが、歪まず丈夫で、PT950などの合金と比べると、アレルギーの事を考えると安心です。チタンは、チタンのちょっと変わった所を理解していただければ、選ぶ際に役に立つと思います。
3. 価値ではなく、安全性や丈夫さが優れています
指輪に貴金属的価値やブランドを求めるお客様には、向いていません。どちらかというと、機能的で、安心感のある素材です。
医療や航空機関係では一般的な素材なので、お客様の中にはチタンの利点を知り尽くしているお医者様や科学者や技術者のお客様が(アレルギーの有無に関係なく)選ばれる事が結構あります。
貴金属的価値ではなく、アレルギーになりにくい安全性や曲がらない丈夫さを重視しているお客様に向いています。
4.最後に
チタンという金属を人で例えると、熱しやすく、冷めやすい性格(すぐに温まるのに、すぐに冷える)反発するのが大好き(叩けば跳ね返って、引っ張ればすぐに戻る。)ひねくれもので、とても手のかかる人です(笑)だから扱うお店が少ないのかもしれません。
読んでいただくと、他の貴金属素材とはちょっと違う面白い金属だと思いませんか?
購入していただく前に、チタンの良さだけではなく、チタンの欠点も知っていただきたくて書いてみました。