歴史の裏にチタンあり!

沢山あるのに、レアメタル?

アルミ・鉄・マグネシウムに次ぐ地殻埋蔵量で、金やプラチナよりも、ずっと埋蔵量がある金属ですが・・・鉱石として掘り出しても、精錬するのに特殊なプラントが必要になるため、チタンを作れる国は世界でも限られています。
だから本当は沢山あるはずなのに、レアメタルと言われているんです。
その上、加工がとても難しく、空気中で溶接(チタン同士をくっつける作業)をすると酸化してしまったり、硬すぎて成型するのにコストがかかりすぎたりするので、他の金属で代用できない場合や、高性能を求められる場合などでしか使用されきませんでした。

 

実は・・・かなり残念な生い立ち

チタンは、1790年代発見され、ギリシア神話の「タイタン」にちなんでチタンと命名されました。しかし当時は、ルチル鉱石やチタン鉄鋼の中から元素を発見されただけで、まだチタンとして利用できず、とても残念な元素でした。
そんなチタンにも1900年代に、やっと明るい兆しが見えてきます。
まず1910年にハンター法、その後1946年にクロール法で高純度のチタンを作る事に成功。チタンの元素発見から150年以上、晴れて金属として使えるまで、とても長い時間がかかりました。

 

あのA国が、密輸入?する程の金属

特に航空機などは、軽さ・強度・耐熱性のある素材が求められ、最近では内装に日本の技術を使った炭素繊維が話題になりました。実はチタンも航空機を作る上でかなり重要な素材で、沢山の逸話や噂が残されています。

・アメリカで作られた世界最初の実用超音速機は、当時のアメリカで生産されたチタン合金の8割以上を使った。
・冷戦時代で、ソ連はアメリカ軍がチタンを使用することを防ぐため世界中のチタン市場を買い占めることを試みた。
・冷戦前は、アメリカはソビエト連邦からチタン鉱石を調達していたが、冷戦中はチタン調達用のダミー会社を設立して、ダミー会社を通して密輸入していた。

アメリカに密輸入させる程、航空機にとって重要な、無くてはならない金属という事が分かります。

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